お見合いは未経験
不動産というのは、ある年月経てば修繕も必要になるものだ。
空室になれば広告を打たなくてはならなかったり、収入となるはずの家賃を下げる羽目になる。
なんのためのものだったのか、本末転倒だ。
しかも、価値は下がっていて、収入も下がっていても、アパートローンは払い続けなくてはいけない。
今回はそこを法人化して、M&Aで売却する手続きを取った。
正直、不動産だけでは価値はなかったが、今回幸いなことにいくつかアパートを持っていたことが幸いした。
ただ土地を持っていただけのご老人は、法人化などしていなかったので、何とかなった話だ。
当然しばらく、ご老人と奥様が食べて行くのには困らない金額にはなったが、プラスで定期的な収入と、万が一に備える何かもこれから提案しようと考えている成嶋である。
調印の終わった書類を抱えて、ビルの下までお見送りした。
自席に戻って、報告書の作成やら、今後の展開を簡単にメモにして作成していたら、社長が呼んでいる、と寺崎が声を掛けてくる。
社長…?
「ん、分かった。」
社長はもともと銀行の社員だったらしいが、グループ会社にいるくらいなので、さほど豪腕でも、強引でもない穏やかな人だ。
空室になれば広告を打たなくてはならなかったり、収入となるはずの家賃を下げる羽目になる。
なんのためのものだったのか、本末転倒だ。
しかも、価値は下がっていて、収入も下がっていても、アパートローンは払い続けなくてはいけない。
今回はそこを法人化して、M&Aで売却する手続きを取った。
正直、不動産だけでは価値はなかったが、今回幸いなことにいくつかアパートを持っていたことが幸いした。
ただ土地を持っていただけのご老人は、法人化などしていなかったので、何とかなった話だ。
当然しばらく、ご老人と奥様が食べて行くのには困らない金額にはなったが、プラスで定期的な収入と、万が一に備える何かもこれから提案しようと考えている成嶋である。
調印の終わった書類を抱えて、ビルの下までお見送りした。
自席に戻って、報告書の作成やら、今後の展開を簡単にメモにして作成していたら、社長が呼んでいる、と寺崎が声を掛けてくる。
社長…?
「ん、分かった。」
社長はもともと銀行の社員だったらしいが、グループ会社にいるくらいなので、さほど豪腕でも、強引でもない穏やかな人だ。