お見合いは未経験
奏は再度デパートに戻って、成田と待ち合わせだというし、そこで散会することになった。
タクシーに乗ったあと、貴志にそのデパートの袋、どうしたの?と聞かれる。

「お二人から、お祝いって、プレゼントを頂いてしまったんです。」
「良かったね。」
「お礼はいいって言われたんですけど。」
「まあ、何かの時に返したら?」
「そうですね。」

そう言えば一緒に帰る、というのはあまりないかもしれない。
一緒に出かければもちろん一緒に帰るが、仕事が終わってから、はあまりないかも。

タクシーの中で余所行きの顔をしている貴志は、ストイックな雰囲気で……。
やっぱり、素敵……。

つい、真奈は見とれてしまう。

「どうしたの?真奈?」
その視線に気づいた貴志が、真奈の顔を見る。

「そう言えば、お仕事終わって一緒に帰るのって、はじめてかも…。なんだか、嬉しいです。」
「君は相変わらずだよね。」

え?何かまずかったのでしょうか?

家に帰って、真奈はダイニングで今日もらったプレゼントの箱を開けてみた。
真っ白で、ふわふわのレースが付いていて、本当に可愛い。

付けてみよう。

その場で付けてはみたものの、ダイニングでは鏡がない。
どうしようか?
寝室まで行って確認するのもどうか…。

今度でいいですね。
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