【改訂版】CEOは溺愛妻を杜に隠してる
森のクマさんとご対面
私の父、大樹はしばらく海外にいた。
 帰国してきた父に『結婚したい人がいる』と告げ、護孝さんと会うことになった。

 造園事務所に二人で出かけたとき、繋いでいる護孝さんの手が汗をかいているのを感じた。

「……もしかして、緊張されてますか?」

 そっと尋ねると、護孝さんはぎごちなく首肯した。

「子供のころ庭園でふざけていて、ひかるの父上に怒られたことがあってね」

「ああ……」

 私は同情した。

 父は大人でも叱り飛ばす。
 あの強面と熊のような体格で威嚇されたら、子供なら悪夢に見ちゃうかもしれない。

「秘書の慎吾ともう一人。白いワンピースの少女と遊んでいて、氏が丹精された樹木の枝を折ってしまったんだ」

 え。
 なんか、ものすごいデジャヴみがある。

「女の子が、木に登ってね。足を滑らせて落ちた時に折れてしまったんだ」

 やっぱり!

「……王子様、護孝さんだったんだ……」
「え?」

 私も少年二人に会ったことを、話した。
 背が高く、メガネをかけてない子とかけてる子の二人組。
 どちらも格好よかったけれど、とりわけメガネをかけてない方が私は大好きで。
 彼のことを『私の王子様』だと思い込んだ。

「私、一人前のガイドのつもりで案内して回って」

「まさか」
「白いワンピース着てたの、私です」

 今度は護孝さんの目がまん丸くなる番だった。
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