罪か、それとも愛か
「私が一人になるのを待ってたの?」

愛紗は、ニッコリと微笑んで大きくうなづいた。

「そうよ。あなたに言っておきたいことがあるの。
ねぇ、琴羽ちゃん。あなたは名家の御令嬢。
何でも持ってる。お金も、立派なおうちも、才能も。欲しいものはなんでも手に入るでしょ?
だから。
水上くんを私から取らないで」


愛紗の言葉で、ざわついていた琴羽の心臓がついにドクンと痛いくらいに跳ねた。


愛紗は、冬輝と琴羽の関係を疑っている。


冬輝の愛情は愛紗に向けられるべきもの。
琴羽が冬輝に抱かれたのは、死ではなく生へと気持ちを向けるための単なる儀式に過ぎない。強く生きるために冬輝を求めただけ。
そこに愛などない。

琴羽はそう思っているのだが、恋人の愛紗が知ればそれは浮気だと考えるだろう。

愛紗への罪悪感はいつでも琴羽の胸の中にあった。

ついに、咎めを受ける時が来たのだ。
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