罪か、それとも愛か
「出来の悪い……だと?」
黒川は緩めていたネクタイをきちんと締め直し、愛紗を見下ろした。
その凄みに思わず愛紗は震え上がる。
「琴羽さんは立派な経営者ですよ。
親に捨てられて小学校すらまともに行ってねぇうちの奴らのために、学校を作ってくれた大恩人です。どんなにバカでも見捨てないでくれた。あいつらが生きる価値を見い出して人間らしい生活ができてるのは琴羽さんのおかげ。
だから、桜木組は琴羽さんのために仁義を通します」
「ヤクザに学校?そんなこと琴羽ちゃんに出来るわけない」
愛紗は、信じられないと首を横に振った。
「出来るんじゃなくて、やらなくちゃならない。
『一条』に生まれた者は物心ついた頃から帝王学を叩きこまれ、仕事を任され、最高の結果を出さなきゃならない。それが当たり前の世界。
お嬢様だとチヤホヤされて育ったと思っていただろう。
とんでもない。『一条』って家は、恐ろしい家なんだ」
「やめて、クロさん。
愛紗ちゃんの言う通り。医学部には落ちたわけだし、親の望むように生きられなかったんだから、私は出来の悪い娘よ」
自分を援護してくれる黒川をなだめ、琴羽はそばにいる冬輝を見上げた。
黒川は緩めていたネクタイをきちんと締め直し、愛紗を見下ろした。
その凄みに思わず愛紗は震え上がる。
「琴羽さんは立派な経営者ですよ。
親に捨てられて小学校すらまともに行ってねぇうちの奴らのために、学校を作ってくれた大恩人です。どんなにバカでも見捨てないでくれた。あいつらが生きる価値を見い出して人間らしい生活ができてるのは琴羽さんのおかげ。
だから、桜木組は琴羽さんのために仁義を通します」
「ヤクザに学校?そんなこと琴羽ちゃんに出来るわけない」
愛紗は、信じられないと首を横に振った。
「出来るんじゃなくて、やらなくちゃならない。
『一条』に生まれた者は物心ついた頃から帝王学を叩きこまれ、仕事を任され、最高の結果を出さなきゃならない。それが当たり前の世界。
お嬢様だとチヤホヤされて育ったと思っていただろう。
とんでもない。『一条』って家は、恐ろしい家なんだ」
「やめて、クロさん。
愛紗ちゃんの言う通り。医学部には落ちたわけだし、親の望むように生きられなかったんだから、私は出来の悪い娘よ」
自分を援護してくれる黒川をなだめ、琴羽はそばにいる冬輝を見上げた。