罪か、それとも愛か
愛紗は大きく目を見開いた。
目の前の琴羽は、愛紗の知っているワガママな高校生だった彼女じゃない。そもそも愛紗が勝手にそう思っていただけで、本当の『一条琴羽』を知らなかったのだ。


「悔しいけどかっこいい。世間知らずの深窓の令嬢だと思ってたのに、別次元の世界に生きてるのね。
私は自分の人生だけ見てればいいんだから、琴羽ちゃんよりずっと身軽。
私だけが、私の人生を幸せに出来る。
不思議。あなたと話していたら、もう一度頑張ってみようかと思えてきた。
私は、私が主役の人生で好きな人と結婚して幸せになるから。琴羽ちゃんが私の人生を羨ましく思うくらいに。
だから、水上くんはあなたのものよ。
今までも、きっとこれからも」


そうつぶやいた愛紗の目には狂気はなく、いつものあざとさだけが残っていた。
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