罪か、それとも愛か

ーー花音の言う通りだ。
久しぶりに会った五嶋が不憫で何とかしてあげたくて、冷静な判断を欠いていたかもしれない。

「忘れたの?琴羽の一番大事な夢。
まことおばさまの夢の病院を作ることでしょ?
翔太おじさまが現役で頑張っているうちに夢を叶えたい。私が大学生になったら少しずつだけど本格的に動き出そうって決めたでしょ。
五嶋商事になんてかまっている暇はない。琴羽に一番必要なのは、五嶋の御曹司じゃない。一緒に夢を叶えてくれる人よ」

「へぇ、いいこと言うじゃないか、花音。
琴羽、五嶋くんの窮地を結婚以外の方法で救ってやるといい。お前の手腕の見せ所だ」

拓人に言われて少しホッとしている自分に気づく。
拓人の言葉は絶対だ。
つまり、結婚はナシ。

打算や憐憫の情で結婚すると言ったものの、五嶋との結婚生活はやっぱり想像できない。

< 201 / 252 >

この作品をシェア

pagetop