罪か、それとも愛か
※
二人だけで残されて、琴羽は大きくため息を一つついた。
俺を利用しろと、冬輝は言った。琴羽が相手じゃなければ一生結婚なんてしないとも。
ーー冬輝には、結婚して愛する家族と幸せな家庭を築いて……みたいな当たり前の幸せを手にしてほしかった。
巻き込みたくなかったのに。
だが。
心の奥にしまい込んだ本心が遠くから叫んでいる。
それは欺瞞だ、と。
本当は一番近くにいて彼を独占したい。肌を合わせて彼の温もりが欲しい。産むなら絶対冬輝の子供がいい。
聞こえる本心は彼への慕情で満ちていた。
「私は、冬輝に幸せになってほしい」
二人きりになり、最初に声を出したのは琴羽だった。
「俺の幸せって何だと思う?」
「…いい人と結婚してかわいい子供に囲まれて暮らすことじゃない?」
「じゃあ、想像して。琴羽はそれを一番近くで見ているんだ。どう思う?」
「どうって…」
冬輝が、琴羽じゃない女の子を好きになって、結婚する。真面目で優しい冬輝だから奥さんのことを大事にするだろう。子供が生まれたら、いいパパになるに違いない。面倒見のよさは琴羽が一番よく知っている。
そんな冬輝を、琴羽は近くで見守っていく。
祝福して応援する。
そんなこと、できるだろうか。
そんなこと、できるとは思えない。
ーーあぁ、寒い。体だけでなく心まで凍ってしまいそうだ。
二人だけで残されて、琴羽は大きくため息を一つついた。
俺を利用しろと、冬輝は言った。琴羽が相手じゃなければ一生結婚なんてしないとも。
ーー冬輝には、結婚して愛する家族と幸せな家庭を築いて……みたいな当たり前の幸せを手にしてほしかった。
巻き込みたくなかったのに。
だが。
心の奥にしまい込んだ本心が遠くから叫んでいる。
それは欺瞞だ、と。
本当は一番近くにいて彼を独占したい。肌を合わせて彼の温もりが欲しい。産むなら絶対冬輝の子供がいい。
聞こえる本心は彼への慕情で満ちていた。
「私は、冬輝に幸せになってほしい」
二人きりになり、最初に声を出したのは琴羽だった。
「俺の幸せって何だと思う?」
「…いい人と結婚してかわいい子供に囲まれて暮らすことじゃない?」
「じゃあ、想像して。琴羽はそれを一番近くで見ているんだ。どう思う?」
「どうって…」
冬輝が、琴羽じゃない女の子を好きになって、結婚する。真面目で優しい冬輝だから奥さんのことを大事にするだろう。子供が生まれたら、いいパパになるに違いない。面倒見のよさは琴羽が一番よく知っている。
そんな冬輝を、琴羽は近くで見守っていく。
祝福して応援する。
そんなこと、できるだろうか。
そんなこと、できるとは思えない。
ーーあぁ、寒い。体だけでなく心まで凍ってしまいそうだ。