罪か、それとも愛か
「冬輝」

琴羽は再び歩き出した二人の背に声をかけた。
琴羽の声を認識したのだろう。冬輝はサッと愛紗が絡めた腕を外して、彼女から少し距離をおく。


「パパの分もアイスをお願い」
「なんだ、そんなことなら電話しろよ」
「スマホ、リビングに忘れてたよ」


琴羽が持ってきたスマホを差し出す。
手を伸ばした冬輝より先に、愛紗がスマホを取り上げた。

「水上くん、スマホ忘れるなんて意外にドジね。わざわざありがとう琴羽ちゃん」

いつものように、優しい笑みを浮かべる愛紗。だが、夜の闇でもわかる。その目は笑っていない。琴羽の存在が邪魔だと、早く戻れとイラついている。

「じゃあ、よろしくね冬輝。バイバイ愛紗ちゃん」

琴羽はそんな愛紗に対して淡々と別れを告げて、戻ろうとした。
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