罪か、それとも愛か


「琴羽、ここまで来たなら一緒に行くか、コンビニ。好きなの買ってやるから」

たしかにここからなら自宅よりコンビニの方が近い。

だが、冬輝がそう言ったとたん、愛紗の顔がゆがむ。

「でも、琴羽ちゃん、もう遅いし。予備校帰りで疲れているでしょう?」

愛紗は冬輝と二人きりの貴重な時間を邪魔されたくないと、琴羽を遠ざけようと必死だ。
そんな愛紗の気持ちなど、手にとるようにわかる。


じゃあ、冬輝はどうだろう。


琴羽は冬輝の顔を見た。冬輝は、普段からあまり表情を変えない。いつでも穏やかな笑顔の人だ。それでも長年そばにいればそこから感情を瞬時に読み取ることは容易い。

どうやら冬輝は愛紗が欲しているほど、カノジョと二人きりの時間にこだわりはないようだ。


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