罪か、それとも愛か
三人でワイワイと楽しく話をしていたその時。
通りかかった男子が、五嶋に気づいて驚いたように声をかけてきた。
「あれ?吉田(よしだ)?」
「四辻(よつじ)?うわ、久しぶり!」
知り合いなのだろう、二人は嬉しそうに盛り上がる。
ポカンとしている萌音と琴羽に気づいた五嶋が説明してくれた。
「四辻とは高校が一緒で。出席番号が並んでていつも並びが前後でさぁ。
四辻、こっちは俺のカノジョの萌音と友達の琴羽」
「初めまして。四辻です。てっきり吉田は望田(もちだ)と一緒に国立大学行ったって思ってたよ」
「あ、四辻、俺もう『吉田』じゃないんだ。『五嶋』って呼んで。
俺、国立落ちたんだよ」
事情は分からないが、どうも五嶋は大学入学を機に苗字が変わったらしい。
今まで気にしていなかったが、『五嶋』といえば、一条商事のライバル会社『五嶋商事』が思い浮かぶ。
五嶋社長に子供はいなかった。表向きには。
だが最近、隠し子がいたとのうわさを聞いた。
琴羽の頭に五嶋社長の品のない下卑た笑みを浮かべる姿が浮かぶ。目の前の友人とは、似ても似つかない五嶋社長の姿。
だが。
ーーただの噂だと思っていたけど。あの社長なら愛人に子供もありえる。
可能性を心に留めておく。
その時、琴羽のスマホが鳴った。予定時刻を知らせるアラームだ。
「あ、私、バイトに行く時間だ」
「琴羽、頑張ってね」
「また明日な」
話し込む五嶋と四辻、それと萌音に見送られながら学食を出て、琴羽は歩き出す。
通りかかった男子が、五嶋に気づいて驚いたように声をかけてきた。
「あれ?吉田(よしだ)?」
「四辻(よつじ)?うわ、久しぶり!」
知り合いなのだろう、二人は嬉しそうに盛り上がる。
ポカンとしている萌音と琴羽に気づいた五嶋が説明してくれた。
「四辻とは高校が一緒で。出席番号が並んでていつも並びが前後でさぁ。
四辻、こっちは俺のカノジョの萌音と友達の琴羽」
「初めまして。四辻です。てっきり吉田は望田(もちだ)と一緒に国立大学行ったって思ってたよ」
「あ、四辻、俺もう『吉田』じゃないんだ。『五嶋』って呼んで。
俺、国立落ちたんだよ」
事情は分からないが、どうも五嶋は大学入学を機に苗字が変わったらしい。
今まで気にしていなかったが、『五嶋』といえば、一条商事のライバル会社『五嶋商事』が思い浮かぶ。
五嶋社長に子供はいなかった。表向きには。
だが最近、隠し子がいたとのうわさを聞いた。
琴羽の頭に五嶋社長の品のない下卑た笑みを浮かべる姿が浮かぶ。目の前の友人とは、似ても似つかない五嶋社長の姿。
だが。
ーーただの噂だと思っていたけど。あの社長なら愛人に子供もありえる。
可能性を心に留めておく。
その時、琴羽のスマホが鳴った。予定時刻を知らせるアラームだ。
「あ、私、バイトに行く時間だ」
「琴羽、頑張ってね」
「また明日な」
話し込む五嶋と四辻、それと萌音に見送られながら学食を出て、琴羽は歩き出す。