君と見る空は、いつだって青くて美しい



 なぜなら、女子でも私のことを誘う人はそんなにいない。
 のに。
 男子の真宙くんが私のことを誘った。

 というか、今までに男子に『一緒に出かけない?』なんて誘われたことなんて……無い……に等しい。


 微かな記憶をたどると、幼稚園の頃、お母さんが仲が良かった人の子供と一緒に遊んだかな……という感じ。
 その子が男の子だった……というくらいで。

 でもそれは、その男の子から誘ったとか、そういうことではなくて、お母さんとその男の子のお母さんが公園で話をしているときに、その間、そこの公園で一緒に遊んでいたというくらいで。

 それに保育園の頃のことだし。

 だから正式に男子から『一緒に出かけない?』と誘われたのは今日が初めて。

 だから驚いてしまった。
 私のことを誘う男子がこの世にいるなんて、と。

 確かにこの世にいるのかというのは、少し大げさだったかもしれないけれど。
 それだけ、そのことに驚いたという気持ちという意味で。

 男子から誘われたことがない私としては、どうしたらいいのかという気持ちで心の中がとても忙しくなっていた。


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