君と見る空は、いつだって青くて美しい



「大丈夫ならよかった。じゃあ、席に着きなさい」


 先生は何も問い詰めないでそう言ってくれた。

 私は、ますます先生に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

 私は、そんな気持ちでいっぱいになりながら、そのまま席に着こうかとも思ったのだけど、やっぱりそのままにしておけないことがある。
 だから、そのことを先生に話そうと思った。


「あの……先生、三分間スピーチは……」


 思いきってそう言った、私。
 ……でも。
 本音は……。
 思いきってそう言ったものの、三分間スピーチなんて逃げれるものなら逃げたい。
 ……でも、ここで逃げたら、きっと後悔する。
 後悔して心の中でモヤモヤし続ける、そんな気がした。
 だから、あえて自分から話を持ち出した。

 すると。


「麻倉さんは今日じゃなくて次の授業のときでいいわよ」


 先生はそう言ってくれた。

 のだけど。


「あの……もし先生がよろしければ……今からでも……大丈夫です……」


 私は勇気を出してそう言った。


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