君と見る空は、いつだって青くて美しい



 なぜなら、教室の戸のところには、黒川さんとその仲間たちがいたから。

 どうして黒川さんが……?
 話は、あれで終わっているはず。
 それなのに、どうして……。

 そう思った私の心の中に、小さな嵐が生まれ始めていた。
 そして、それがどんどん大きくなっていく。

 大きくなった嵐は、私の心の中をパニックにさせる。

 今……。
 今、一番会いたくない人が私のことをまた呼んでいる。

 今度は一体何の用?
 もう何も話はないはずなのに。

 どうして……。
 どうして私に関わってくるの……‼

 私はそう思ったけれど、黒川さんのところに行かなければ、私のことを呼びにきてくれた田中さんに申し訳ない。

 私は田中さんに「ありがとう」と言って、席を立ち、ゆっくりと黒川さんたちの方へ歩いていった。


< 337 / 553 >

この作品をシェア

pagetop