君と見る空は、いつだって青くて美しい



「希空ちゃん」


 真宙くんが少しかしこまった感じで私の名前を呼んだ。

 真宙くん、いきなりかしこまった感じになってどうしたのだろうと思った、ら……。


「美空のこと、よろしくお願いします」


 って、ものすごく、ご丁寧に言ったから……。


「えっ、えっ、まっ……真宙くんっ、そっ……そんなご丁寧な感じで……っ」


 真宙くんがあまりにも、ご丁寧に言ったから、私は戸惑ってしまった。


「だって妹が希空ちゃんにお世話になるんだよ。だから、せめてこれくらいは言いたくて」


「そっ……そんなやめてよ、真宙くんっ。私っ、別に美空さんのことをお世話だなんてそんなこと……っ」


「ありがとう、希空ちゃん。本当に希空ちゃんは気遣いがあって思いやりがある子だね」


 気遣いがあって思いやりがあるのは、真宙くんの方だよ。


「そ……そんな、私なんか……」


「そんなことはない。希空ちゃんは気遣いがあって思いやりがある子だよ」


「真宙くん……」


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