ひとりぼっちの王子
若王子 利玖side
九条は驚きを隠せないようだった━━━━━

当たり前だ。
半年以上かけて洗脳したんだ。

俺がいないと生きていけないように、俺を裏切らないように………

確かに最初は大変だった。
一日中泣いたり、喚いて身体に傷つけたり━━━━……

でもそれも二・三ヶ月経つと、徐々に落ち着き俺に愛情を向けるようになってきた。

今ではおとなしく家で俺だけを待つ、可愛い奥さんだ。


「━━━━━━これでわかったでしょ?
早く帰れ!」



九条はさっきまでの勢いが嘘のように、力なく帰っていった。

「利玖…?」

「ん?もう大丈夫だよ!
怖かったね……
ほら、ちょっと休みな!
俺はまた会社に行かなきゃ行けないんだ」

「え…嫌……
今日はもう一人は嫌!」
必死にしがみつく姫。
その姿が可愛すぎて、そのままベットに連れていきたいとこだが、生憎今日は仕事が手を離せない。

「ごめんね……急いで終わらせて帰るから。
姫は寝てて!
大丈夫。次、目が覚めた時にはちゃんといるから。
眠るまでそばにいるから、ベット行こ!」
ベットに寝かせ、頭を撫でると安心したように眠る姫。

眠ったのを確認し、家を後にした。
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