ひとりぼっちの王子
後日━━━━━
役員会議で、九条の解雇が決定した。


「フッ…フフフ……
ハハハーーーッ!!!」
とにかく、笑いが止まらない。

あの九条のことだ。
会社を解雇された状態で、俺達の前に現れることないだろう。

アイツのプライドが許さないだろう!

あぁ…これで心置きなく、姫と愛し合える……!





家に着き、エントランスに向かうと━━━━━
「九条…?」

アイツがいた。


俺の胸ぐらを掴む、九条。
「お前が仕組んだんだろ!?」

「は?何が?
つーか、いてぇーよ!」

「どう考えても、お前しか考えられない!」
凄まじい剣幕で、声を荒らげる。

「はぁぁ?何言ってんだよ!
証拠は?」
俺も九条を睨み付けた。

「ない。
ないが、お前しか考えられないんだよ!
そこまでして、空羅から遠ざけたいのか!?」

「だ、か、ら!俺じゃねぇよ!!
まぁ、姫から遠ざけたいのはあるけどね!」

「………」


「わかったら早く帰れよ!!
もう二度と来るなよ!!」

九条は俺の胸ぐらを掴んでいた手を離し、向き直った。




「最後にもう一度………
もう一度だけ、空羅に会わせてくれ……!」
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