ひとりぼっちの王子
少し頭が冷えたので、風呂から上がりダイニングに戻ると美味しそうな夕食が並んでいた。

空羅は少し不安そうに言った。
「私、ここにいない方がいい?
もし考え事するのに邪魔なら、部屋に行ってようか?」

泣きそうな顔が、俺の胸を締め付ける━━━━━

「いや、ここにいてくれ………
そばにいて欲しい……」

「わかった、ここにいるね!
何か話したくなったら、何でも聞くよ。
…………何があったの?仕事のこと?
最近、忙しそうだもんね」


「ごめん、言えないんだ………」


そう━━━言えないのだ。

もし空羅に今日のことを全て話せたら、どんなに楽か。
一緒に考えることができる。


でも………


『あっそうそう!
この事は俺と君の二人だけの秘密ね!
間違っても空羅にだけは言わないでよ!
もし話したら………一番最低な方法で、空羅のこと奪うから。
それに妹さんも一生手術できないようにするよ。
君は空羅も妹さんも失うことになるから!』


アイツの言葉が頭に響く━━━━━━

ほんとに最低な奴だ……!
相手の一番弱いとこをついてくる。

いや━━━━━最低なのは、この俺だ!




なぜなら、もう気持ちは固まってるから…………
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