今夜はずっと、離してあげない。



「ほらっ、定番の海とかプールとかは?!」

「ないですね。遠いし暑いので」



そもそも私も千住サマも根はインドア派で、基本部屋でゴロゴロしていたいタイプ。



「じゃ、じゃあ夏祭りとかは?!夜は結構涼しくなるし!」

「人が多いので行かないですね」



確かその頃は凛琉が推しの聖地巡礼に行くと言ってたから、一緒に行けなくなり。



「ほ、本当に何もないの……?ショッピングとか、デートとかも?」

「んー……、今のところないです。そもそも彼氏いませんし」

「その顔で?!」



いや、どの顔で??

そんなに珍しい顔でもしてるの?先輩が驚くような??



「……ま、まさか自覚ナシ?え?なんで?」

「……?先輩、なにブツブツ呟いてるんですか?」



きょとん、としながら問いかければ、先輩はパッと顔を上げて。



「……真生、つかぬことを伺うけど、告白されたことはある?」

「……え、一度もないですけど、」

「なんで?!」



……なんでとは、なんで??


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