今夜はずっと、離してあげない。
きらめいた夜





ミーンミーン、とセミがうるさい日々。




「………え、マジ?」

「まじです」




ぽろり、と私の今日のお昼のおにぎりを落としそうになった先輩は、目をこれでもかとかっぴらいている。




「せっかくの花のJKの夏休みだっていうのに、バイト以外何も予定ナシなんてある?!」

「ここに実例がいます」




実例にしちゃダメだよ?!と声を荒げる先輩は、夏休みの予定が埋まりに埋まり切ってるらしい。


数日前から、夏休みに突入した。

私は体調を崩したまま夏休みに入ってしまい、つい先日熱が下がって、学校に荷物やらなんやらを取りに行った。


さすがに千住サマが持ってきてくれるワケにはいかなかったし。

凛琉が持ってこようか?と言ってくれたけど、同居してることがバレたらあれなので、丁重にお断りした。


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