今夜はずっと、離してあげない。



今日は、いつもよりちょっと早めの夕方にあがらせてもらった。

そのワケは、




「やっほー真生!!」

「ひさしぶり……って、言うほどでもないか。えと……一週間ぶり?」

「いちいちそんなのに悩まなくていいの!」




ガバッとこの暑苦しい中抱きついてきた、凛琉との約束があったから。


近場のカフェでの待ち合わせ。

友達なんてロクにいなかったから、こんなのは結構新鮮で、実を言うとドキドキしてたりした。


今日のことを考えて昨日ソワソワしてたら、千住サマに何やってんだって言われてしまったけど。


アイスコーヒーを頼んで、ニコニコ楽しそうに笑いながらケーキを頬張っている凛琉を見る。




「真生は何か夏休み予定ある?」

「バイ、」

「あ、バイト以外で」




バイトを瞬殺された……。
どうしよう。他に言う言葉がない。



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