今夜はずっと、離してあげない。



黙り込む私をぎろりと睨む凛琉。




「まさか真生、バイト以外に予定ないなんて言わないわよね?」

「………………、……その、まさかです」

「はあああああああああっ」




目を逸らしながら白状すれば、特大級のため息をつかれた。


り、凛琉にも呆れられてしまった……。
そんなに夏休みバイト三昧ダメなの?長期休暇こそ稼ぎ時だと思うんだけど……。




「もうっ、なら夏休み最終日、その日だけは絶対空けといて!」

「……え、なんで?」




急な休み希望に目をぱちくりさせていると、びしいっと指を突きつけられた。




「夏休み最終日くらい、ちゃんとした思い出つくらないと!だから、その日はわたしと真生と朝水くん、あとは……誰かひとり男子でも誘って遊園地、行くよ!」




唐突すぎるお誘いに、それはもう目が飛び出るくらい驚いた。


< 113 / 415 >

この作品をシェア

pagetop