今夜はずっと、離してあげない。





ぱちんと手を合わせて、本日も一礼。




「ごちそうさまでした」

「おそまつさま」




素麺って、誰でも普通の人並みの味を出せると思っていたけど、千住サマが調理するとなぜか人一倍美味しく感じてしまう。

どんな方法で調理しているんだろう。


どこかの子供番組じゃあるまいし、美味しくな〜れって念を送ってるわけでもないだろうし。



食器をかちゃかちゃと片づけていると、すでに食べ終わっていた千住サマが待ったをかけてきた。




「氷高は公園に行ってろ」

「……え、公園?」




唐突な指令に、戸惑うのも無理はないと思う。


公園って、あの家からすぐ近くの公園、だよね?千住サマを拾った。

そこで今日、こんな夜に何かあったっけ?
まさか今から草むしりとかするわけないし……。



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