今夜はずっと、離してあげない。




「千井から連絡きたからよかったものの、食べて帰るなら一言ちゃんと入れろ。俺もいるんだから」

「はい。申し訳ないです……」




事実を言うとこれまた面倒くさいことになりかねないから、ここは黙っておこう。


………って、え、まって。

いま、千住サマ、千井って、言った?



慌てて下げた頭を上げたと同時、「あと、」と落とされた千住サマの声は、とても。とーっても、低かった。




「なんで、俺に今日のことを何も話さず、4人で遊園地、行ったんだ?」




顔を上げるタイミング、完全にまちがえた。

いま顔上げちゃダメだった。



目の前に般若のような、というより、もはや般若そのものみたいな顔をしている千住サマがいた。




ほら!!!

やっぱり連れていかなかったから怒ってるじゃん!!千井の嘘つき!!!!




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