今夜はずっと、離してあげない。




いつもなら忘れることなんて絶対にないのに〜!!と思いながら、半泣きでスマホを立ち上げようとしたところ。




「あ、バイトなら休みって言ってある」

「……ほえ?」




しれっと落とされた言葉に、間抜けな声を上げるしかない。




「え?い、いま、なんて……」

「バイト、今日、ヤスミ」

「片言じゃなくてもわかりますけど……」




私が聞いてるのはそういうことではなくて。

なんでバイトが休みになったのかを知りたいんです。




「氷高が寝てる時、スマホに着信あって。見たら店長ってあったから、出て、体調不良で休んでますって言っといた。あと、無理させてごめんだって」

「ど、堂々とうそを……」

「は?嘘じゃないだろ。氷高がバイトの時間になっても起きないなんて、自覚ないけどよっぽどだからな?」




ち、千住サマに指摘されるほどなのか。

それは、うん……。反省するしかない。



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