今夜はずっと、離してあげない。
「……は?」
その言葉に今度は不快感を隠すこともせずに、はっきりと眉を寄せた。
意味がわからない。何言ってるんだろ、この人たち。
私の変わった表情に何を思ったのか、くすくす嗤いを続けながら、ねえ?と後ろの女子たちにも声を投げる。
「そーそー。ナルくんはカッコいいことにはカッコいいけど、あそこまでいくと……ねえ?」
「ストーカーかよってくらいだし?ちょっときもちわるいよね〜」
きゃははは、と甲高い嗤い声を上げるその人たち。
……ああ、もうコイツらでいいかな。
「あの、話ってそれだけですか?」
「え?」
まさか話しかけられるとは思ってもいなかったのか、驚く女子たち。
俯いていた凛琉も、パッと弾かれたように顔を上げる。
「それだけなら、帰りたいのでどいてほしいんですけど」