今夜はずっと、離してあげない。



私の直接的な言葉に、朝水くんや千井、それに凛琉は雷でも落ちたかのように、ピシャーンッと固まってしまう。

かわって、私と伽夜はいたって平然としている。



「どんなって……普通に、ああいう発言は控えろ、とだけ」

「それにしては千井のビビり具合が半端じゃなかったと思うんですけど……」

「それなら俺じゃなくて千井に聞け。……まあ、単に俺の顔がこわかったんだろ。ヤクザ顔だし」

「自分の顔コンプレックスなんですか?」



ヤクザ顔ヤクザ顔と、自分の顔を卑下しすぎだと思う。


確かに、傍目から見ればかなりこわいけど。
何も喋らず彫像みたいな無表情でいたら、かなりこわいけども。



「……ほんとうに分からないんですか?」

「自分の顔をいちいち気にしない」

「……そうですか」



本人があんなに怖がる理由がわからないと言うのであれば、仕方ない。


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