今夜はずっと、離してあげない。



……どれだけこわかったんだろうか。

私も伽夜がキレた時は見たことあるけど、千井は伽夜は私相手に弱いって言ってたから、私が知ってる以上にこわかったのかも。


同じクラスの朝水くんに聞けばわかるかな。


……ということで。



「……え、昨日のちず?……………、ごめん。話したくない……」

「あ、そ、そっか……」



昼休み。凛琉に会いにきた朝水くんに昨日のその後を尋ねれば、長い沈黙ののち、話すことを拒否されてしまった。


……なんだろう。いまのなが〜い間に、ほのぐらい闇を垣間見た気がする。


冷や汗ダラダラ流れてるし、まさか朝水くんにまで飛び火しちゃった?

……いや、千井ならいざ知らず、朝水くん相手に八つ当たりする性格を伽夜はしてないし……。



そんなこんなで、千井にも朝水くんにも聞けなくて。


ここは、最終手段。



「あの、千井にどんな説教したんですか?」



朝水くんよりすこし遅れてやってきた、千住伽夜本人を直撃した。


< 338 / 415 >

この作品をシェア

pagetop