あやかしあやなし
「来たばかりで何を言っておる。物の怪らもおぬしも、お互い会ったばかりなのだから、まだまだ警戒しても仕方ないわい」
かかか、と笑い、和尚はぽんと鬼っ子の背を叩いた。惟道が、とんとんと己の胸を軽く叩く。
「おぬしもここから出られるようになったら、直でこ奴に会うがいい。言いたいこともあろう」
己の胸に語りかける惟道に、小丸はまた、やれやれと肩を竦めた。
「そういえば、ちょいと気になったのだがの」
和尚が食後の茶を啜りながら、何気ない風に口を開いた。
「先程惟道が言うた、鬼は人の成れの果て、ということじゃがの。そもそも大江山の鬼は人だった、とも言うぞ」
え、と鬼っ子が和尚を見た。が、小丸がひらひらと手を振る。
「んなわけないって。それなら何で、討伐隊にわざわざ物の怪退治に秀でた五人だけなのさ。人相手なら検非違使をいっぱい派遣したほうがよくない?」
「うむ、まぁそれもそうじゃ。じゃが、極悪非道な盗賊という噂もあったしのぅ。あまりに恐ろしいから、それこそ少数精鋭部隊に頼んだのやもしれぬ」
「ふぅん? でもだったら、こいつの変化(へんげ)の説明がつかないよ」
鬼っ子からは微弱ながらも間違いなく妖気を感じる。純粋な人でないのは確実だ。
人ならばどれだけ気が昂ったところで身体が変化することはない。余程のことで変化してしまったら、元には戻らないものだ。
「わしも詳しくは知らぬよ。ただ、ちょっと気になっただけよ。その辺りを調べれば、身の振り方にも役に立つのではないかと思っての」
まぁそう急ぐ必要もないし、今後のことはゆっくり考えればいい、と、和尚は鬼っ子に笑いかけた。
かかか、と笑い、和尚はぽんと鬼っ子の背を叩いた。惟道が、とんとんと己の胸を軽く叩く。
「おぬしもここから出られるようになったら、直でこ奴に会うがいい。言いたいこともあろう」
己の胸に語りかける惟道に、小丸はまた、やれやれと肩を竦めた。
「そういえば、ちょいと気になったのだがの」
和尚が食後の茶を啜りながら、何気ない風に口を開いた。
「先程惟道が言うた、鬼は人の成れの果て、ということじゃがの。そもそも大江山の鬼は人だった、とも言うぞ」
え、と鬼っ子が和尚を見た。が、小丸がひらひらと手を振る。
「んなわけないって。それなら何で、討伐隊にわざわざ物の怪退治に秀でた五人だけなのさ。人相手なら検非違使をいっぱい派遣したほうがよくない?」
「うむ、まぁそれもそうじゃ。じゃが、極悪非道な盗賊という噂もあったしのぅ。あまりに恐ろしいから、それこそ少数精鋭部隊に頼んだのやもしれぬ」
「ふぅん? でもだったら、こいつの変化(へんげ)の説明がつかないよ」
鬼っ子からは微弱ながらも間違いなく妖気を感じる。純粋な人でないのは確実だ。
人ならばどれだけ気が昂ったところで身体が変化することはない。余程のことで変化してしまったら、元には戻らないものだ。
「わしも詳しくは知らぬよ。ただ、ちょっと気になっただけよ。その辺りを調べれば、身の振り方にも役に立つのではないかと思っての」
まぁそう急ぐ必要もないし、今後のことはゆっくり考えればいい、と、和尚は鬼っ子に笑いかけた。