あやかしあやなし
「いいけど、下手すると鬼っ子は消し炭になっちまうよ」

「奴は丸ごと鬼なわけではない。負の感情が高まったときだけ妙な力が出るだけだ。姿かたちは、それに引っ張られただけ。妙な負の力がなくなれば、上手くすると姿も変わるやもしれぬ」

「そうなれば、まぁ万々歳だけど。それもやっぱり術師は必要ね」

 惟道の中から鬼っ子の中に移動するのも、ここにいる者ではできない。

「器を変えるぐらいなら出せばいいんだし」

「それもそうじゃな」

「出すだけだったら、特に術師使わなくても出られると思うんだけどな。ほら、前に僧正坊も勝手に出ていったでしょ」

「そういえばそうじゃな。でもあれは、入るときも自分で入ってきたぞ」

「あ、そっか。それじゃ、ある程度力が強いものでないと、自力で人の中に入ったりできないものなのかな」

「でもだったら、狐憑きとかあり得ないのではないか?」

「狐は結構力は強いよ。野狐だって人に化けたりできるしね」

「では放っておいても雛の力が戻れば出られよう」

「そうねぇ。そうだといいけど」

 うーん、と小丸は少し心配そうに惟道を見た。
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