バカな君へ、贈る愛
桜介side
いつもの喧嘩。
当時小学2年生だった俺は思わず、目を覚ましてしまったんだ。
足音をなるべく立てないように、明かりのついたリビングへ近づくと、両親は向かい合って食卓の椅子に座り、睨み合っていた。
……こんな親の姿も、物心ついた時から何度だって見てきた。
『もう限界よ! 離婚します!』
『ああ、俺だってお前と早く離婚がしたいと思っていた! でもようやくできるのか』
母親も親父も、俺が半開きになっているドアから見ていることは気づいていないようだった。
『ええ、そうよ。でも桜介は、あなたが育てて。桜介は、あなたと血が繋がっているんだし』
『お前と血が繋がってるくせに何を言ってる! お前は、あいつを産んだ母親だろうが!』
『あなたは父親でしょ! あなたと出会わなかったら、あの子も産まれることなんてなかったわ。あなたのことなんて、もう一生思い出したくないのよ!』
俺は、一歩一歩その場から後退りした。
これから先のことが怖かった。
親父についていっても、母親についていっても、俺は不要な物という目で見られなきゃいけないのかと思った。
両親は、俺のことなんか考えてはくれなかった。
2人は俺を置いたまま、姿を消しちまった。
そんな様子を見かねた、祖父母が俺のことを育ててくれた。