バカな君へ、贈る愛
授業参観には当然、父親や母親が来ることが一般的だったもんだから、俺んちのように祖父母の姿はよく目立った。
もちろん、祖父母と同居している人もいるし、親と一緒に見に来るっていうパターンだってあったけれど、俺んちみたく、毎回祖父母しかいないなんていうのは他にいなかった。
『なんで佐伯って、親だけいつも参観日は来ねえの?』
『ずっとじいちゃんばあちゃんだよなー』
なんて、クラスメイトによく言われたよ。
けど、俺はなんだか親が喧嘩の末、どこかへ消えたことを正直に言えなかった。
学年が上がっていくと同時に、親がいない寂しさは薄れていったけれど、あの時、珠華が遊園地に行った時に言っていた言葉が、頭に引っかかっちまった。
『お父さんもお母さんも笑顔だったなぁ』
親父さんと母さんが笑顔だった思い出を持っている珠華が……なんだか羨ましいって思っちまったよ……。