もういちど初めからー塩キャラメルとビターチョコー
8.かごめ、かごめ
8.かごめ、かごめ

 気まずい空気というのは、気づかないふりができる子の味方だ。

 あたしはアイツのおかげで仲間はずれにされてから、昨日までいっしょに遊んでいた子たちの横を通り過ぎるだけでも息ができなかったけど、むこうはあたしのことなんて見もしなかった。

 広場はあたしを見ない子たちの陣地で。
 あたしは(はし)っこを通り過ぎるだけ。

 気まずいのはあたしだけで、広場からは変わらず楽し気な声が響いていた。

 だから、今度はあたしも教室(ヒロバ)の真ん中に陣取ってやった。
 涼子(りょうこ)をつれて。
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