君をトリコにする方法
保健室に着くと、先生はいなかった。



「動くなよ、大人しくしてろ」

「はーい……」



椅子に座らされてそのまま大人しく瞬を待つ。


ジャー、カランカランと涼しい水音が奥から聞こえる。


するとすぐに、ビニール袋に水と氷を入れたものとタオルを持って瞬がかえってきた。



「足、見るぞ」

「うん……」



頷くと、瞬はしゃがんで私の足に触れる。



「あ、待って靴下」

「いいから」

「ちょっ……!」



制止してももう遅くて、私の靴下はするすると瞬の手によって脱がされてしまう。



「自分でできるのに……!」



こんな子どもみたいな扱い、恥ずかしい……!


うう……とうなっていると、急に瞬が顔を上げて目が合う。



「お前何するにしても無駄に体動かすだろ」

「なっ、そんなことないよ!」

「どーだか」



呆れたように言われて悔しい。

痛いときくらい静かにできるもん。



「……腫れてるな」



拗ねかかっていると、瞬が哀しげにそう言うから私まで切なくなる。


だけど容赦なくビニール袋を足首に当てられて、思った以上に冷たくて驚いた。



「ひい~っ、冷たい!」

「こら動くな。冷やさねえと治りが悪くなるだろ」

「うう……」



早く治ってほしいから、瞬の言う通り大人しくする。


でも沈黙が流れると、どうしても今の状況が恥ずかしくなっちゃうよ~っ……


瞬と目が合わないようにうつむいた。
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