君をトリコにする方法
「俺、せっかくだからもうすこし触りたいんだけどいい?」


「うん。見てるだけなら大丈夫」



瞬の手が、ウニやヒトデに触れるのをぼーっと見つめる。


こういう体験は初めてだからなのか、横顔がいつもより明るい。



……割と楽しんでるな。



昔だったら絶対『気持ち悪い、無理、触らない!』って言って騒いでいただろうに……


そしてそんな瞬を私が『いっかいだけ、一緒に触ってみようよ!』なんて言って励ますんだ。


まあそんなこと、今ではほとんどないけれど。



またまたしんみりしていると、「希帆」と名前を呼ばれる。



「手、貸して」

「え?はい」



言われた通りに手を差し出すと、手のひらにぽんと何かを置かれる。


もしやナマコ!?と一瞬身構えたけど、あの変な触り心地じゃない。


硬い……それに軽い。


不思議に思って見てみると、それは綺麗な貝殻だった。



「わあーっ!すっごく綺麗!」



ザ・貝殻って感じの形で、どこも欠けてない。

こんなに綺麗なのは初めてみたかも!
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