君をトリコにする方法
「素直に怖いって言ったらいいのに。何が気になんの?」



言葉はぶっきらぼうなのに、私を見る表情は優しい。


瞬に理由を話すのは恥ずかしいけど、口を開いた。



「……だって、私よりも小さい子たちは平気で触ってるから」



ナマコやヒトデ、ちょっと色や形が変な生き物も、周りの子どもたちは楽しそうに触れてる。


それなのに高校生の私が、一瞬触ってみたら急に怖くなってきたなんて言いづらすぎる……!


情けなくて手で顔を覆っていると、瞬は「そういうことか」とうなずく。



「さっきまでキラキラした目ではしゃいでたのにな」


「だ、だって!触ってみたら今までにない感じで驚いたというか!思えば形とか色とか独特だなってなっちゃって……!」



ナマコたち生き物にはなにも罪はない。

悪いのは全部私。

ってわかってるけど!


一度怖いと思ってしまったらもうなんか全然ダメなんだもん!


こうして遠目で見るのは『あ、ナマコだなあ。生きてるなあ』って感じで大丈夫だけど、水槽の中に手を入れることはもうできない。
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