ハツコイぽっちゃり物語
恋ちゃんの手は冷たくて、ブルっと身が震えた。
その様子に恋ちゃんはぷはっと吹き出して笑う。
「千桜の手あったかー」
「……はぁ仕方ない。私の手で温めてあげるよ」
そう言うと、恋ちゃんはとびきりの笑顔を向けて私の手を握り返す。
じんわりと互いの温度が混じり合っていく。
視線を落とせば繋がれた手がみえて、上を向けば恋ちゃんの顔が見えるからもう恥ずかしさ超えて沸騰しちゃいそう。
あのさ、ねえ。
こんなにかっこよかったっけ?
私の幼馴染、こんなにかっこよかったっけ??
……まあ、学年一イケメンと称されてるくらいだもんね。
そう思うと、美男美女カップルだよね。ちーちゃんと恋ちゃん。
はあ……。
もう私、想うことだけでいいかなとか思っちゃう。
恋ちゃんとはただの幼馴染としていれれば充分かな。だって今更だもん。
私はひっそり想いながらふたりを見守っていくんだな、きっと。
それが私の人生なんだろう。