ハツコイぽっちゃり物語

3人並んで帰るのは初めて。

新学期始まったからね。

それにちーちゃんと恋ちゃんは初対面……ではないか。でもちゃんと話してるのは初めてかな。

その割にはなんだか話が弾んでる……?


私を挟みながら話す様子に耳を傾ける。


「霧山って天然なの?阿呆なの?バカなの?なんなの??」

「はあ!?俺のどこをどう見たらそう思うの!?」


……訂正します。
あ、あの〜……。
ちょっと2人とも、ここ住宅街だよ……。

そんな大声出したら近所迷わ――。


「お、お前こそなんなの!?初対面相手に酷すぎない??」

「初対面ではないけど?そのまんま思ったことを言っただけだし」

こ、これは仲良しになった会話ではなさそうだね……。
私の勘違いか。
ザンネン。


「千桜、こいつほんとに男?」

そう言って恋ちゃんを指しながら私に応えを求めてくる。

お、男……?

う、うん。男……だけど、


「“男の子”だよ。恋ちゃんは」

“男”ってよりも、恋ちゃんは“男の子”って感じだかな。

うん、どう見ても男の子。

喋りやすくて頼りになる幼馴染だもん。
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