ハツコイぽっちゃり物語
「ふぅん。そっか。千桜にとって霧山は“男の子”なのかぁ。……だってさ霧山“くん”」
なぜか楽しそうに笑うちーちゃん。
そしてバシバシと叩かれてる恋ちゃん。
「痛ってぇな!」と肩を押さえて、一瞬私をひと目見た彼はなんだかちょっぴり不機嫌そうに口を尖らす。
???
なんか変なこと言ったかな?
でも、思ったこと言っただけだし。
「ちーちゃんもそんな恋ちゃん叩かないであげてよ。痛がってるし、なんか不機嫌なっちゃったじゃん」
私は恋ちゃんの肩を摩ってあげた。
その様子を見てちーちゃんは意地悪く笑みを浮かべる。
恋ちゃんはため息なんてついてるし……。
「私なにか変なことした?」
なんて聞いてみたけど
「全っ然!気にするほどのもんじゃないよ」
「大丈夫大丈夫。ほんと気にすることじゃないから」
そう言うけどさ、2人の温度差全然違うのわかってるのかな。
ちーちゃんは満面の笑みで、なんだか勝ち誇ったようなそんな余裕な表情だし、
一方、恋ちゃんは
元気がなくて疲れたようなそんな表情だし……。
とりあえず、まず2人には私の友だちだから仲良くなって欲しいなぁ。
そんな思いを抱いて空を見上げた。