秘密主義の楓くん
そしてお昼休みが終わり、午後の授業が始まる
「ねぇねぇ、楓くん」
私は楓くんにだけ聞こえるように、小声で話しかける。
ん?
と楓くんは首を90度回転させ、私の方を向く。
「楓くんは、好きな食べ物とかあるの?」
「⁇」
唐突の質問にキョトンとした表情を浮かべる。
だけど少し間を置いてから
「うーん、特にないかな」
うん、想定内の返事だよ。
それなら、
「じゃあ。得意な科目は何?」
「うーん、考えたこともない」
「あぁ、そう、教えてくれてありがとね」
何も聞き出すことができなかったけど、一応返事をしてくれたお礼を伝えておいた。