Gypsophila(カスミ草)~フラれ女子番外編

そして、学校が終わった後には我が家ーーオーベン公爵家本邸にお付き合いいただいた。


「……どういうことですの?」

さすがマリア。日本語も出来るんだね、とのんびり言うぼくを彼女はジロリと睨み付けてきた。

「なぜ、わたくしがカールお兄さまの叔父様にお会いしないといけないのですか?わたくしと一切血縁はありませんのよ?」

わお、やっぱりマリアはハッキリと物事を言うタイプだ。これならば叔父さんも信用してくれるな、と一人頷いてたぼくを、彼女は可哀想なものを見る目で見据えた。

「……カールお兄さま……あなたの将来がいろいろ心配になりますわね」

わ~お、ため息までつかれてしまった。6歳児に将来心配されるぼくって……いや、うん。うっすらと自覚はあるけどね。

「……やっぱりマリア嬢も心配ですよね?」

ちょ、そこのアーベルという人!ぼくの親友じゃないの、君!?さらに憐れみに満ちた目をこちらに向けないでくれる?口もとには微笑みさえ浮かべて……やめて!


色々発生した複雑怪奇な感情はともかく。今は叔父さんの部屋にマリアを強制連行したところ。もちろん叔父さんもご在宅だし、アーベルも勉強の名目で来てもらった。マリアだって同じ学校の生徒だから、その先生を訪れるのは不自然じゃない。

で。面倒になったぼくはマリアの視線にストレスを受け……もとい。ストレートに目的を切り出した。

「マリア、ヨーゼフ伯父様が王太后派なのは知ってる。だが、それを知った上で君にも協力して欲しい。女王陛下を暗殺からお護りしたいんだ」


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