Gypsophila(カスミ草)~フラれ女子番外編

「カール、わたくしは侍女として女王陛下にお仕えするわ」

お母様から意外な提案をされたのは、女王陛下が滞在し2ヶ月目を迎える頃。
流石にそろそろ色々な言い訳が限界にきていたから、どうしようかと思案していたところだった。

「明人お兄様は身辺警護の者として、一緒に王宮へ行くわ。実は推薦して登録しておいたの。審査し認定する長が宮内卿が頭のボケたじじ……ごほん。おじいちゃんなのも幸いしたわ」

……お母様、今、ボケたじじいって言いかけませんでした?


「何人かうちの侍女も連れていくわ。皆訓練を積んだ者だから安心よ」

うん、お母様。特殊な訓練を積んだ工作員ですよね。エージェントでしょう。そんな最強な侍女が普段必要だとしたら、命がいくつあっても足りませんけど。

……なんてツッコミは内心だけにしておいた。
現に女王陛下には護衛が必要だし、王宮に帰ったところでまたろくに世話をしてもらえるとは考えにくい。

その点、お母様は仮にも公爵夫人だし簡単に無下にも蔑ろにも出来ない存在だ。
あまり身分や権力を利用したくはないけれど、ひとまずお母様が表だって女王陛下の後ろ楯になるには最適な方法だと思う。

マリアがオーベン公爵家を継ぐと公表されるのは、ぼくが10歳の誕生日。それまでは公爵家嫡男の母という立場も使える。
本当に女王陛下を支援したいならば、ぼくが公爵家を継ぐべきなのだろうけど……。

「お母様、ボクもグルンデシューレを卒業した後は、王宮で学びながらお手伝いしますよ」

やはり、ぼくも王宮に直に関わった方がいい。そう判断してお母様に告げた。

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