愛は惜しみなく与う【番外編】
電話まで遠い

安達さんを呼ぶには間に合わない


「黙ってんじゃねーぞクソガキ!」


こわい!
男の人の手が動いた

殴られる?叩かれる?こわい


咄嗟に目を閉じた



「ねぇ、あんた達、もう店閉まってるんだけど。聞こえなかった?」


!!


キッチンで掃除をしていた響先輩が目の前にいた。あたしの手を掴む男の人の手を握っている。


「な!離せよ」

「じゃあこの子の手を離してくれる?まだ暴れるなら警察呼ぶよ」


響先輩が男の手に力を入れたのか、男があたしの手を離した。


「吉田さん、後ろに」


そう言って響先輩は、あたしの腕を引いて自分の後ろに回らせた。

心臓が跳ねた


こんな時に何考えてんだと言われそうかな。


でも初めて


響先輩があたしに触れた



「ガキが調子に乗んなよ」

「うん、乗ってんのはそっちな?聞こえなかった?これ以上暴れるなら知らないよ」


怯むことなく淡々と話す響先輩 
そして


「警察呼べるもんなら呼べや!!」


男が殴りかかってくる

それを響先輩は


避けなかった

驚いた
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