やり直せる?

···笑顔が見たかっただけ


あれから、ワクモには
行っていない
いや···行けていない

仕事帰りに
あれは······
彼女がホテルに入って行く

なぜ?と、彼女の後ろ姿を見ていると
キーを貰いエレベーターに向かう。

俺は、家に帰り拓斗に連絡をした。

拓斗は、個人の事だが
「あの娘は、佳英の妹で紗英というんだ。
ずっと、我慢していたんだけど
離婚に向けて動いている。
あの時、お前が見たのは
あの店のオーナーで
佳英や紗英の従兄弟だ。
だが、俺は紗英には
今から笑って暮らしてほしいと
思っている。
だから、貴史
冷やかしなら紗英には、
近づかないでくれ。」
と、言われた。

俺は、拓斗になんと答えたか
覚えていないが
いつのまにか電話を切っていた。

もちろん、冷やかしとかの気持ちではなく
俺は、純粋に彼女の笑顔が
見たい、それだけだった。

だが、彼女の私生活を
覗くみたいで
彼女に失礼かと思い
ワクモにも足を向けなかった
拓斗の店にも。
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