やり直せる?

···偉大な姉


離婚届を提出して
    受理·······された···。。

取り敢えず
夫だった要さんと綾華に
LINEで報告をした。

私は、山本から東野へと変わり
色々な書類の名義をかえる作業をした。

それから不動産屋さんに行き
部屋を借りた。
ワクモの近くに良い物件があり
姉の佳英にも見て貰い
そこに決めた。

セキュリティもしっかりしていて
2階の奥で端の部屋で綺麗だった。

姉から
「あんたが旦那と幸せなら
綾華にやるつもりだったけど
これは、あんたにあげる。」
と、佳英の名前の通帳と印鑑をくれた。

ん?と思っていると
「これは、母さんが亡くなる前に
私に渡したの。
両親の保険は、二人で分けたでしょ?
だけど、これは母さんが
私やあなたに何かあった時に
使いなさいと。
佳英と紗英が幸せなら
二人の子供達に使いなさいとね。」
通帳を受け取り開くと
かなりの金額が入っていたから
「こんなに貰えないよ。」
と、言うと
「そう、言うと思った。
じゃ、きちんと二分するよ。」
と、姉に言われて頷いた。

いつも私を守るように母に
言われていた姉に
「お姉ちゃん、ありがとう。
ずっと、私を守ってくれて。
ごめんね、お姉ちゃんだって
辛いこと沢山あった筈なのに。」
と、言うと
姉は、私を抱き締めて
「バカっ、私は紗英がいたから
紗英がいてくれたから
一人じゃなかったんだよ。
紗英は、すごく優しくて
可愛い私の妹なんだよ。」
「うん、うん。
私、佳英ちゃんが大好きだよ。」
「ああっ、珍しくお姉ちゃんと
呼んでくれたのに。
もう、戻ってる~。」
と、言うから二人で笑うと
佳英ちゃんが
「ああっと、わかっていると
思うけど、拓斗には内緒だよ。
これは、私のへそくりにするから。」
と、言うから
「二人だけの秘密だね。」
と、言い二人で笑いあった。

お母さん、ありがとう。
と、心の中で言いながら
だけど、離婚とかになってしまって
ごめんなさいと伝えた。

私達の両親は、
私が学生の時に
飛び出してきた自転車を避けて
ガードレールにぶつかり
父は即死、母は頭や身体を
打ち付けて病院に運ばれて
会話が少しだけ出来たようだったが
数日後に息を引き取った。

自転車の人には
私は、会わなかった
会えなかった
姉は、会ったみたいだけど。

酷く落ち込んでいたみたいだが
姉が
「辛くても、苦しくても
私達の両親が、あなたを助けたのです。
精一杯、生きて下さい。
精一杯、楽しんでください。
それが、私達の両親への
供養と思って。」
と、泣きながら、ふるえながら
姉が言ったと
拓斗さんから泣きながら
教えてもらった。
「佳英は、カッコいいよ。
すごいよ。」
と、拓斗さんは泣いてくれた。

本当に偉大な姉だ。
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