やり直せる?

···誤解?


東野に戻って10日が過ぎた。

楠木さん、来なくなったなぁ
もぅ、ずっと顔を見てない。

もう、ワクモの商品に
飽きたのだろうか?
仕事、忙しいのかな?
あれ、何をされてるんだっけ?
クスクスっ、可笑しくなる。

な~んにも、知らない人を
好きになるなんて。

はにかみながら、話す所が·····
スーツをきちんと着こなしているのに
ギャップある····
そんな所が良いのかな····

それに声も良い
話し方も優しくて

あ~あ、もう止めよう。

会えないんだから
縁がなかったんだ····きっと。

今日は、洋介と姉達の店に行き
食事をして少しだけ飲みにでた。

洋介がたまには、良いだろうと
姉は、心配していたが
「どんだけ過保護なんだよ。」
と、拓斗さんに笑われて
渋々、許可がでた。

佳英ちゃん?
私は、40才なんだよ。
と、言いたくなるが
佳英ちゃん好きの私も
それで良いと思っているから
言わない。

11時になって
洋介と帰る事に
洋介は、何番目かの彼女の所に
行ったので、私は一人で帰る。

マンションもここから見えているし

「支店長、行きますよ。」
「嫌、君たちだけで行きなさい。」
女の子達に腕を引っ張られながら
歩く楠木さんがみえた。

回りには男性も沢山いた
職場の飲み会かな?

だけど、こんな所で
会いたくなかったなぁ
と、思っていたが
向こうもこちらに歩いてくるし

私も向こうへと歩かないと
行けなくて·····

団体さんだから
端により離合をすると
男性が私にぶつかり
「すみません。」
と、言うから
「あっ、いいえ。」
と、答えるときに
楠木さんと目があったので
頭だけを下げて先を急いだ。

心臓がかなりのスピードで
うっている。

彼の困ったような顔に
落胆してしまった。

あはは。
離婚の引き金となった恋は、
告白もなく見事に玉砕してしまった。
バチ····かな·····
あのまま、要さんといないと
行けなかったのかな·····

涙が勝手にでてきて
手の平で拭きながら歩く

もうマンションまで来たと
ホッとしていた時に
腕を捕まれて
「待って。ごめん、急に。」
振り向くと、息を切らした楠木さんで
私の顔を見て、びっくりした顔を
したかと思うと私を抱き締めた。
「えっ、あの~」
と、口に出すと
「何が、そんなに辛いの?
あなたには、笑顔でいてほしい。」
と、言われて
「······どうしてっ?
ワクモに来なくなったのですか?
どうして·····っ、さっき困った顔を
したのですか?
私に·····会いたく·····なかったのでしょ···?」
と、言うと
「えっ、待って。
紗英ちゃんが泣いていたのは
俺がワクモに行かないから?
俺がさっき困った顔をしたから?
俺のせい?」
と、言うから
何度も頷くと
楠木さんは、ギュッと私を抱き締めて
「少し話しても良い?」
と、言われたから
「ここ、私が今住んでいる
マンションなんです。
中に入りますか?」
と、言うと
「えっ、いいの?」
と、言われて
「義兄のお友達ですから。」
と、肩をあげながら伝えると
笑ってくれた。
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