やり直せる?

···ご両親へのご挨拶


週末は、洋介に休みを貰って
貴史さんのご両親に会う

まだ、離婚して間もないから
入籍はできないが
貴史さんが、
「両親を早く安心させたい。」
と、言うから。

私は、バツイチだから心配するが
貴史さんは、全く気にしていない。

貴史さんの実家は、
和風で立派な中庭のある お家だった。

ブザーとともに足音が·······

「いらっしゃい。」
「ただいま。」
と、お母様と貴史さん。
そのの横で
頭を下げる私に
「あら〜、いらっしゃい。
紗英さんですね。
楽しみにしていたのよ。」
と、言われたお母様の肩には
私が選んだショールが····
「ありがとうございます。
   東野 紗英と申します。」
と、頭を下げてから
貴史さんを見上げると
貴史さんは、微笑んでくれた。

お母様は、
「私のお気に入りなの。」
と、にっこり笑ってくれてから
「どうぞ。」
と、言ってくれた。

私は、貴史さんの後について
「おじゃまいたします。」
と、くつを揃えて上がる。
貴史さんのも揃える。

廊下を進むと
リビングのソファーにお父様と
思われる方が座っていた。

私は、入り口で頭を下げてから
中に入り
お母様に姉夫婦の店で焼くパイを
お渡しした。
お母様は、喜ばれて
「一緒に食べましょう。」
と、言ってくれた。

貴史さんは、私の手を引き
ソファーに座らせると
「母さん、一度座って」
と、言い
私を紹介してくれた。

「父さん。母さん。
やっと、一生を共に生きて行きたいと
思える人に巡り会えたんだ。
その方がこちらの
東野 紗英さん。」
と、言われた。

私は立ち上がり
お父様とお母様の顔を見て
「東野 紗英と申します。
年は、41になります。
初婚ではありません。
申し訳ありません。
それから、20才の娘がいます。
宜しくお願い致します。」
と、頭を下げると
お父様?が
「紗英さん、お座りなさい。
私は、貴史の父親で正史と言います
こちらは、家内の柊子です。
年は、良いかな?」
と、言われて
思わず笑ってしまうと
お父様もお母様も
はっとした顔をしてから
ニッコリと笑ってくれた。

ん?やらかしたかなと
貴史さんを見ると
「俺が紗英の笑顔に惚れたと
話したからだよ。」
と、言われて真っ赤になると
お母様が
「このショール。
この子が、こんなセンスの
良いものを選ぶなんて
と、思っていたの。
だから、きっと紗英さんが
選んだのではないかと、とね。」
と、言われたから
「私は、従兄が経営しています。
ワクモと言う雑貨店で働いています。
そこに貴史さんが見えて
お母様への贈り物を悩んで
声をかけて頂いたのです。
私がお選びしましたが
貴史さんに自分でも見て頂きたくて
店内を見て貰いましたが
私が選んだものを購入して頂きました。
私は、ワクモの商品が好きです。
とても癒されます。
お母様も気にいって頂けたと
貴史さんから報告を頂いて
すごく嬉しかった事を思い出します。」
と、言うと
「ほら!
やはり私が
恋のキューピッドじゃない。」
と、お母様が
「いや、きっかけは、
親父からの連絡かな。」
と、貴史さんが言うと
お母様は、びっくりして
お父様を見た。

お父様は、
「お前が寂しそうにしていたからな。」
と、優しそうに笑ってお母様をみると
お母様も優し顔で微笑まれた。

あ~、良いご夫婦だな
と、見とれていると
「あのさ、紗英。
良い夫婦だなぁと、
見ている場合じゃないよ。」
と、貴史さんに言われて
「えっ、どうして?」
どうしてわかったのかと思っていると
「簡単。顔に出てるよ。」
と、貴史さんが笑うと
お父様もお母様も笑ってくれた。
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