HEAVEN's Door
「なんで、俺がWGPで走ってた事、知ってるの?」

手紙を読み終えた祥太郎はあたしを見つめた。

「色々、拓海くんには教えたよ?」

「…女の事もかー!!」

祥太郎は顔を赤くしてあたしを追い掛ける。

あたしは狭い事務所で必死になって逃げた。

光さんの後ろに隠れるとようやく祥太郎は諦めて、

「…兄ちゃんには知られたくない」

苦笑いをしていたけど…

祥太郎はギュッ、と唇を噛み締めていた。



祥太郎にも…

拓海くんを失った悲しみが溢れている。
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