パトリツィア・ホテル



夏休みを間近に控えたこの時期には、期末テストが返される。

私も含めてみんな、結果に一喜一憂……なんだけれど、新宮くんはまるで当たり前のようにほぼ満点を取っていて。

やっぱり、学年トップの秀才くんは違うなぁ……なんて思っていた。




そんなこんなで迎えた、数学のテスト返しの時間。

みんなは特に、この時間を嫌がっていた。


「あぁ、嫌だ、嫌だ。俺、絶対に赤点だよ」

「ホント、もう、最悪〜」

教室中からそんな声が飛び交う中、高石先生は口を開いた。

「今回の期末テスト、一人だけ満点を取った者がいる」

すると、クラスはより一層にざわついた。

「マジで!? 誰だよ?」

「そんなの新宮に決まってるじゃん。何しろ、学年トップなんだし」

「そうだよな。新宮しかいねぇよな」

次々とそんな声が聞こえてきて……私もきっと、新宮くんなんだろうなと思った。

でも……あれ? 新宮くんも今回のテスト、何問か書けなかったって言ってたはず……。


そう思った次の瞬間。高石先生の放った言葉に私は耳を疑った。


「満点を取ったのは、島崎だ」


え、私? いや、そんな訳、ないよね?

先生の言葉にはクラスのみんなも、きょとんと意外な顔をして。

教室内の空気が一瞬止まった。
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