パトリツィア・ホテル
「咲ちゃん、すごいじゃん! おめでとう!」


鎮まり返った教室に、新宮くんの爽やかな声と拍手の音が響いた。

そして、まるでそれに触発されるかのように、教室中から少しずつパチパチと拍手の音が聞こえてきて。

それはまるで、人気者を祝うかのように大きな拍手の海になった。



「すっげー、流石は人気アトラクションの発案者だよな」

「本当。新宮くんが選んだ彼女だけあって、才色兼備ね。まさに、私達には手の届かない憧れの存在……」


教室中から上がる羨望の声の数々……それは、男子と女子の別はなく、クラスメイト全員のものだった。


……って、あれ?

何だか私、めちゃくちゃすごい人みたいに思われてしまってない?

わ、私、何もすごい人なんかじゃなくて、この学校に来てる中では寧ろ、馬鹿な部類なんですけど〜!


そんなこんなで焦っている私は、高石先生に呼ばれて教壇の前に立った。


「では、島崎!」

「は、はひ!」

「よく頑張ったな! この調子でこれからも頑張るように」

「あ、あ、ありがとうございます」


噛んでキョどりながら先生から答案用紙を受け取る私を見て、私の正体をよく知っている朱里と新宮くんは吹き出していた。


そして、私がそそくさと自分の席に戻ってからは、出席番号順のテスト返しが始まったのだった。
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